この記事で解決できるお悩み
・微生物資材で化学肥料を減らせる?
・北海道の試験で効果は確認された?
・追加コストを回収できる?

微生物資材を使えば、肥料を減らせるのでは?
肥料代は抑えたい。でも、収量や品質は落とせない。新しい資材に関心があっても、導入を迷うのは当然です。
実は今、米国の農業界でも、生物由来資材(Biologicals)の活用が議論されています。
2026年10月23日、米国の農業専門メディア「AgriBusiness Global」が、肥料供給の不安定化と生物由来資材の将来に関するインタビューを公開しました。
注目したいのは、化学肥料を完全に置き換えるのではなく、併用によって投入資材の効率を高めるという考え方です。
しかし、海外で注目されている資材は、北海道の圃場でも本当に効果があるのでしょうか。
この記事では、米国の農業界の動向を出発点に、北海道の春まき小麦・馬鈴薯・大豆で実施された試験結果を検証します。
この記事でわかること
- 海外で生物由来資材が注目される背景
- 北海道の試験で確認された効果と、その限界
- 微生物資材・バイオスティミュラントの効果が条件によって異なる理由
- 肥料削減や収量改善で採算を確保するための判断方法
海外の新しい情報を、北海道の農業経営で使える判断材料に変えていきましょう。
1. 海外で生物由来資材が注目される理由は?
肥料や農薬などの投入資材の価格上昇と供給不安は、生物由来資材への関心を高める要因になっています。
ただし、これは生物由来資材が化学肥料の代わりになると証明されたことを意味しません。
米国の農業専門メディアが報じた肥料供給リスク
今回の情報源は、米国の農業専門メディア「AgriBusiness Global」が2026年10月23日に公開したインタビューです。
海外記事: AgriBusiness Global Report: Fertilizer Supply Shocks and The Future of Biologicals
登場するのは、農業関連企業Beck Agの創業者John Finegan氏です。
同氏は、投入資材の価格・供給と、次の作付けに向けた肥料確保について、次の懸念を示しています。
- ロシア・ウクライナ情勢やホルムズ海峡をめぐる混乱が、肥料・農薬・軽油などの価格や供給に影響している
- 2027年の作付けに向け、農家が必要な肥料を確保できるか不透明
これらは同氏による市場の見解・予測であり、将来の肥料価格や供給量が確定したという意味ではありません。
それでも、投入資材の価格や供給リスクを考慮して営農体系を見直すという論点は、北海道の農業経営にも関係します。
化学肥料をなくすのではなく、利用効率を高める
Finegan氏が強調するのは、生物由来資材を化学肥料や農薬の「完全な代替品」として考える必要はないという点です。
従来の化学資材と組み合わせ、その効果をより引き出すことを提案しています。
例えば、同じ施肥量でも資材の追加によって収量が増えれば、生産物1kg当たりの肥料投入量は減少します。
ただし、これだけでは施肥量そのものを減らせるとはいえません。
ここで区別したいのが、次の3つです。
| 評価する効果 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 増収効果 | 同じ施肥量で収量が増えたか |
| 肥料利用効率の改善 | 肥料投入量や養分吸収量に対して生産量などが改善したか |
| 減肥効果 | 肥料を減らしても収量・品質を維持できたか |
これらは関連しますが、同じ意味ではありません。
「肥料の利用効率が改善する」と「肥料を減らしても大丈夫」は、分けて検証する必要があるのです。
Biologicalsとバイオスティミュラントは同じではない
海外で使われる「Biologicals」は、生物由来の農業資材を幅広く指す言葉です。
微生物を利用した資材や生物農薬など、異なる目的の製品が含まれます。
一方、バイオスティミュラントは、作物や土壌が元々持つ機能を補助し、養分の吸収・利用効率や非生物的ストレスへの耐性などを改善する資材です。
農林水産省も2025年5月に「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定しています。
バイオスティミュラントには微生物を利用した製品もあれば、腐植酸や海藻抽出物など、微生物そのものを含まない製品もあります。
また、肥料成分を含むバイオスティミュラントも存在し、その場合は肥料関係法令への対応が必要になることがあります。
資材の名称だけでなく、何を改善する目的の製品なのかを確認しましょう。
今回は主に、作物の生育や養分利用効率の改善を目的とした資材を取り上げます。
基本的な分類については、関連記事「バイオスティミュラント(BS資材)とは?効果ある?」も参考にしてください。


2. 北海道の試験結果でバイオスティミュラントの効果を検証
以下は、各報告書でバイオスティミュラントとして扱われた資材の試験です。腐植酸系など、微生物資材以外の資材も含まれます。
北海道で公表された試験結果には、増収が観測された事例もあれば、効果が確認されなかった事例もあります。
特に注目したいのが、岩見沢市で2年間にわたって調査された春まき小麦の試験です。
春まき小麦|2024年は増収、2025年は慣行区を下回る
岩見沢市農業試験圃では、春まき小麦「春よ恋」を対象に、腐植酸系資材「レコルト」の効果を調査しています。
供試されたレコルトは、腐植酸を含む液状複合肥料です。硝酸性窒素1%と水溶性カリ8%の保証成分を含んでいます。
試験では種子処理区、葉面散布区、慣行区を設け、精麦重などを比較しました。
結果は次のとおりです。
| 試験区 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 種子処理区 | 106% | 89% |
| 葉面散布区 | 106% | 94% |
| 慣行区 | 100% | 100% |
※各年度の慣行区の精麦重を100とした相対値。岩見沢市農業試験圃の公表値。
2024年は、種子処理区と葉面散布区のどちらも、慣行区より約6%高い収量でした。
ところが翌2025年は、逆の結果になりました。
種子処理区は慣行比89%、葉面散布区は94%となり、いずれも慣行区を下回っています。
結果を読むときは、両年の共通条件と違いを分けて確認しましょう。
- 共通条件:品種は「春よ恋」、供試資材はレコルト。種子処理・葉面散布の方法も共通です。
- 施肥条件:両年とも基肥Dd778を90kg/10a施用し、追肥は行っていません。
- 年ごとの違い:播種時期や気象条件が異なります。2025年報告書は湿潤な播種床、出芽のばらつき、土壌の硬化、生育停滞を記載しています。
- 資材の成分:レコルトは肥料成分を含むため、観測差を腐植酸の作用だけに帰属できません。
試験面積は1区7.2㎡、2反復です。統計的に有意な差だったかは確認できず、2025年報告書が挙げた条件が処理区の減収を直接引き起こしたとも証明されていません。
ここで重要なのは、2024年の増収も、2025年の減収も、それぞれ単独で資材の普遍的な効果を証明するものではないということです。
同じ資材でも、年度によって結果が一致しなかった。その事実が、導入判断で重要な情報になります。
出典:岩見沢市「令和6年度 農業試験関係成績書」/「令和7年度 農業試験関係成績書」
馬鈴薯|2種類の資材で効果が確認されず
芽室町でも、バイオスティミュラントの効果確認試験が行われています。
芽室町農業再生協議会の2025年度試験成績概要では、馬鈴薯に対して次の2資材が供試されています。
- 栄養吸収を目的とした「ぐんぐん伸びる根」
- 高温対策を目的とした「ヒートプロテクト」
報告書によると、いずれの資材も無処理区と比較して、生育・収量・品質への効果はみられませんでした。
栄養吸収や高温対策を目的とした資材でも、今回の試験条件では明確な改善が確認できなかったという結果です。
ただし、公開されている概要だけでは、反復数や詳細な施用条件、収量の数値まで十分に評価できません。
「今回の試験では効果が確認されなかった」という結果と、「その製品には効果がない」という断定は区別する必要があります。
大豆|生育・収量・品質に明確な改善なし
同じ芽室町の2025年度試験では、大豆に対するバイオスティミュラント資材「アビオスリー」の効果も調査しています。
報告書では、生育・収量・品質に特に優る点は認められず、効果はみられなかったとされています。
ただし、この結果だけで、大豆に対する生物由来資材全般の有効性を判断することはできません。
資材の種類や作用機序、施用条件によって、期待される効果は異なります。
出典:JAめむろ「夢あぐり」2026年1月号・令和7年度試験成績概要
北海道の試験結果から何がわかるのか
今回紹介した事例だけで、すべての微生物資材やバイオスティミュラントを評価することはできません。
資材の種類も対象作物も異なり、試験条件にも限界があるためです。
しかし、農家にとって重要な教訓があります。
製品の効果を判断するときは、最も良かった試験結果だけでなく、効果が確認されなかった試験結果にも目を向けましょう。
特に大規模経営で全面導入する場合、単年度の増収事例だけを根拠にするのは慎重であるべきでしょう。
3. なぜバイオスティミュラントの効果は安定しないのか?
バイオスティミュラントの効果は、資材の種類、作物、土壌条件、気象条件などによって異なる可能性があります。
また、試験方法の違いが結果の解釈を難しくする場合もあります。
ここでは、海外の研究と農水省のガイドラインから、その理由を考えます。
海外研究では平均17.9%の増収を報告
2022年、学術誌『Frontiers in Plant Science』に、バイオスティミュラントの増収効果に関するメタ解析が掲載されました。
メタ解析とは、複数の研究結果を統計的に統合する分析方法です。
この研究では、世界各地の180研究から得られた1,087組の露地試験データを分析しています。
その結果、対象となったバイオスティミュラントによる増収効果は、全体平均で17.9%と報告されました。
乾燥した気候や野菜栽培、土壌有機物の少ない条件などで、効果が大きくなる傾向も示されています。
これは興味深い結果です。
しかし、「海外で平均17.9%増収したから、北海道でも同程度の増収が期待できる」と考えるのは早計です。
この解析の対象は、腐植酸や海藻抽出物などの非微生物系バイオスティミュラントです。
また、異なる資材、作物、気候、土壌条件の研究を統合した結果であり、研究間には大きなばらつきが認められています。
著者らは、解析データの出版バイアスを調べる検定では、有意な偏りを認めなかったとしています(p>0.05)。
一方、考察では成功例が公表されやすい可能性を指摘し、平均増収率は商業栽培で期待できる効果を過大評価している可能性があるとして、慎重な解釈を求めています。
したがって、17.9%という数字は、個々の製品の効果を保証するものではありません。
もちろん、17.9%の減肥が可能という意味でもありません。
出典:Li et al.(2022)A Meta-Analysis of Biostimulant Yield Effectiveness in Field Trials
北海道では地温・水分・土壌条件も考慮する
生きた微生物を利用する資材では、微生物の活動や定着が環境条件の影響を受ける可能性があります。
例えば、北海道の春先は地温が低く、圃場によっては過湿や排水不良も問題になります。
土壌pH、養分状態、有機物含量、土壌の種類なども、作物の生育環境に影響します。
海外の温暖な地域で有効だった資材が、北海道の低地温条件でも同じ働きをするとは限りません。
ただし、バイオスティミュラントのすべてが微生物資材ではありません。
腐植酸や海藻抽出物など、微生物そのものを含まない資材については、別の作用機序を考慮する必要があります。
資材ごとの作用機序と、効果が期待される条件を確認することが重要です。
効果を確認するには試験の設計が重要
農林水産省の「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」では、製品の効果を表示する事業者に対して、根拠となる情報の確認を求めています。
例えば、栽培試験について次のような条件が示されています。
- 資材を施用する区と、施用しない対照区を設ける
- 肥料成分量など、資材以外の条件をそろえる
- 各試験区で3連以上の反復を設ける
- 国内または気候・土壌が類似する環境で、条件を変えた2例以上の試験を行う
- 収量や養分吸収量など、定量的な指標で評価する
これらは製品の効果表示を裏付けるために事業者が確認すべき試験条件です。農家が行う簡易な圃場比較のすべてに、同一の試験設計を義務づけるものではありません。
では、なぜ比較条件をそろえる必要があるのでしょうか。
例えば、資材を施用した区だけに追加の肥料成分が入っていた場合、増収しても、その原因を資材特有の作用と肥料成分の供給に分けて評価できません。
これは、肥料成分を含むバイオスティミュラントを検討するときにも重要です。
「使ったら増収した」という結果だけでは、何が増収をもたらしたかまではわからないのです。
出典:農林水産省「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」


4. バイオスティミュラントは肥料代の削減につながる?
農業経営にとって重要なのは、資材を使うことで利益が増えるかどうかです。
減肥によるコスト削減と、増収・品質改善による収入増加は分けて考えましょう。
増収しても減肥できるとは限らない
例えば、慣行施肥のまま資材を追加して増収したとします。
その結果は、資材の導入価値を考える材料になります。
しかし、化学肥料を減らしても同じ収量を維持できるかは、別の問題です。
減肥を目的とするなら、通常施肥・減肥の両条件で資材の有無を比べます。
| 試験区 | 施肥量 | 新資材 |
|---|---|---|
| A:慣行区 | 通常量 | なし |
| B:資材追加区 | 通常量 | あり |
| C:減肥区 | 削減量 | なし |
| D:減肥+資材区 | 削減量 | あり |
4条件を並べると、比較ごとに次の点を確認できます。
- AとB:通常施肥で資材を追加した影響
- CとD:減肥条件で資材がどの程度寄与するか
- AとD:減肥と資材を組み合わせた体系が慣行施肥からどう変わるか
ただし、試験区間の土壌条件や資材由来の肥料成分、配置、反復数にも配慮する必要があります。
単に1区ずつ比較するだけでは、圃場内のばらつきと資材の効果を十分に区別できません。
肥料代を10%削減しても利益が増えない場合
費用対効果を簡単な例で考えてみましょう。
次の数値は、計算方法を説明するための仮定です。特定の資材の価格や、実際の減肥効果ではありません。
10a当たりの仮定試算
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 従来の肥料費 | 20,000円 |
| 肥料費の削減率 | 10% |
| 肥料費の削減額 | +2,000円 |
| 新資材の購入費 | −1,500円 |
| 追加作業費 | −500円 |
| 差引 | 0円 |
この条件では、収量・品質とその他の費用が変わらなければ、直接的な利益の改善はありません。
肥料費を10%減らせたとしても、資材の購入費と追加作業費によって削減効果が相殺されるからです。
さらに、肥料を減らしたことで収量が低下すれば、販売収入の減少によって利益が悪化する可能性があります。
反対に、減肥をしなくても、増収や品質改善による収入増加が追加費用を上回れば、導入する価値があります。
費用対効果は「追加利益」で判断する
新資材の導入効果は、次の考え方で整理できます。
追加利益=販売収入の増減+肥料費の削減額-新資材の購入費-追加作業費-その他の増加経費
その他の増加経費には、増収に伴う収穫・乾燥・選別・運搬などの費用も含まれます。
もちろん、減収に伴って減少する経費があれば、その分も考慮します。
大規模経営では、10a当たりの小さな損益差が、作付面積全体では大きな金額になります。
例えば、10a当たり500円の利益改善が得られ、100ha全体で同じ効果が再現されると仮定すれば、単純計算で50万円の改善になります。これは説明用の仮定で、全面積での再現を保証するものではありません。
ただし、実際に全面積で同じ効果を得られるかは別問題です。
また、追加の散布作業が必要なら、作業適期や機械・労働力の制約も無視できません。
目指すべきなのは、単純な資材費の削減ではなく、収量・品質・労力を含めた農業所得の改善です。
5. 北海道の農家が新資材を導入する前に確認したいこと
新しい資材に関心があっても、最初から全面導入する必要はありません。
現在の施肥管理を見直したうえで、導入効果を確認できる条件を整えることをおすすめします。
① 土壌診断で現在の養分状態を確認する
最初に確認したいのは、土壌が作物にどれだけ養分を供給できる状態にあるかという点です。
北海道には、合理的な施肥管理の基準として「北海道施肥ガイド2020」があります。
このガイドでは、作物や地帯、土壌条件に応じた施肥標準と、土壌診断結果に基づく施肥対応が示されています。
土壌診断と施肥設計では、次の点を合わせて確認します。
- 作物・地帯・土壌条件に合った施肥標準
- リン酸やカリウムなど、土壌中の養分蓄積
- 施肥方法や養分バランスを含む総合的な判断
養分が十分に蓄積していれば、作物別の基準に応じて施肥量を削減できる可能性があります。新資材を追加せずに、施肥設計の見直しで肥料コストを抑えられる場合もあります。
土壌分析値だけを見て、一律に減肥するのは適切ではありません。
土壌診断を施肥設計に活かす手順については、次の記事で詳しく解説しています。


② 資材の試験データを確認する
製品を検討する際には、宣伝資料に記載された増収率だけでなく、試験の中身を確認しましょう。
重要なのは次の5項目です。
- 対象作物と品種
- 土壌・気象・施肥条件
- 資材無施用区の有無
- 試験区の面積と反復数
- 収量・品質・経済性の測定結果
試験データがあっても、北海道と大きく異なる条件での結果なら、そのまま導入効果を予測することはできません。
資材が肥料成分を含む場合には、その成分の影響をどのように評価しているかも確認したいところです。
③ 小面積で慣行区と比較する
自分の圃場で資材を試すなら、慣行区を残して比較する方法があります。
小面積の比較では、次の条件をそろえて記録します。
- 同じ圃場で条件が近い場所を選び、資材区と使わない慣行区を設ける
- 施肥量、播種・移植時期、防除、栽培密度など資材以外の条件
- 草丈や葉色だけでなく、最終的な収量・製品歩留まり・品質
- 資材を使う区と使わない区それぞれの追加作業費
なお、1回の比較だけでは、資材の効果と圃場内のばらつきを十分に区別できません。
可能であれば反復を設け、複数年の結果を蓄積して判断しましょう。
④ 減肥を目的とするなら、減肥試験が必要
ここが特に重要です。
通常施肥で増収しても、その結果だけでは減肥できるとは判断できません。
減肥を目的とするなら、減肥区と減肥+資材区を設けるなど、目的に合った比較が必要です。
仮に減肥しても収量が維持できたとして、それが資材の働きによるものなのか、元々の施肥量が過剰だったためなのかは区別する必要があります。
減肥率を先に決めるのではなく、土壌診断と作物の養分要求量、試験結果を踏まえて判断しましょう。
土壌中のリン酸蓄積と減肥判断については、次の記事も参考になります。


⑤ 全面導入は採算性を確認してから
最後は経済性です。
購入価格が安くても、効果が安定しなければ費用対効果は高いとは限りません。
反対に、資材価格が高くても、増収や品質改善による収入増加が追加費用を上回れば、経済的に成立する場合があります。
さらに、大規模経営では散布回数の増加や作業時期の競合も考慮する必要があります。
新しい資材が優れているかどうかだけでなく、自分の営農体系に無理なく組み込めるかを確認しましょう。
資材の評価で重要なのは、単に「効いたか」ではなく、「自分の経営で利益を増やせるか」です。
まとめ|海外で注目される新資材を北海道でどう評価するか
今回紹介した米国のインタビューでは、肥料供給の不安定化が、生物由来資材への関心を高める要因になると指摘されていました。
化学肥料を完全に置き換えるのではなく、既存の肥料と組み合わせて利用効率を高めるという考え方には、検討する価値があります。
一方、北海道の試験結果からは、同じ資材でも年度によって結果が異なり、効果が確認されない場合もあることがわかりました。
海外研究で報告された平均増収率も、そのまま北海道の圃場に当てはめることはできません。
新しい資材を否定する必要はありません。しかし、海外で注目されているという理由だけで全面導入するのも適切ではありません。
海外の新技術を知り、北海道の栽培条件と経済性に照らして判断する。
この姿勢が、資材の選択肢を増やしながら、無駄な投資を防ぐことにつながります。
今日やることは1つです。
直近の土壌診断書と施肥設計を見比べ、現在の施肥量に見直しの余地がないか確認してみましょう。
そのうえで、新しい資材を追加する必要があるのか、どのような比較試験が必要なのかを考えることができます。
海外の農業情報には、北海道農業の将来を考えるヒントがあります。
そして、その情報を自分の経営に取り入れるかどうかは、試験結果と数字で判断していきたいところです。
参考資料・出典
海外動向
北海道の試験結果
研究論文・公的基準
